NUTEC「NC-202(Comp BOOST for ENGINE)」圧縮圧力回復剤をER34に投入
私のER34は走行距離が15万kmを超えていることもあり、エンジン本体のメンテナンスも行っていきたいと思っていました。
先日、NUTECの製品で圧縮圧力を回復させるものがあることを知り、一度試してみることにしました。
NUTEC(ニューテック)の「NC-202(Comp BOOST for ENGINE)」という製品になります。
この製品は、NUTECの「パワーアッププログラム」の最後の仕上げ施工として使用されるものとなっています。
<NUTEC パワーアッププログラムとは>
「NUTEC製品の同時施工プログラムにより、相乗効果で車のポテンシャルを引き上げるプログラムです」とホームページに記載されています。
プログラムは以下の3つのSTEPになっているようです。
●STEP1:NC-220(燃料添加剤)
●STEP2:NC-900(燃焼室内のカーボンクリーニング)
●STEP3:NC-202(圧縮圧力回復剤)
今回は、上記プログラムの「STEP2」は実施せずに、「STEP3」のNC-202を使用することにしました。
NC-202について
<仕様>
・用途:エンジンシリンダー圧縮圧力回復剤
・内容量:60ml
・成分:合成潤滑油、潤滑油添加剤、特殊添加剤
<効果・特徴(ホームページより抜粋)>
・シリンダー金属面とピストン&ピストンリングの摺動面をコーティングして、摩耗や痛みを修復
・圧縮圧力の気筒間誤差を極小を保ち、適正基準値まで回復
・摩擦抵抗も減少させてノイズ低減・エンジン寿命の延長・オイル消費の低減
・オイル交換をしても約2万km程度の効果持続
NC-202の施工手順
注意点は、このNC-202は店舗施工専用品であるため、一般ユーザーが施工することは推奨されていません。
説明書にも、「一般ユーザーが施工された場合の不具合やクレームにつきましては保証いたしかねます。」としっかり記載されていますので、自分で施工される方は自己責任で行いましょう。
以下の手順は、説明書の内容をベースに、実際に行った手順で補足していきます。
(1)エンジン暖気後にエンジンを停止し全気筒のスパークプラグを取り外す
十分な暖気後に、スパークプラグを取り外します。
私は、全てのプラグを一気を取り外すのではなく、1番から3番までのプラグを取り外してから(2)の作業を行い、プラグを元通りに取り付けました。
その後、4番から6番までのプラグを取り外して(2)の作業を行い、プラグを元通りに取り付けました。
プラグを取り付ける際に、取り外したプラグではなく、以前に交換して保管しておいた中古のプラグを取り付けました。
理由としては、(5)と(6)の施工を行うと、プラグがNC-202でギトギトになってしまうためです。
(6)の作業後に、最初に取り外した通常使用するプラグに戻すようにします。
(2)スパークプラグ穴からスポイトを用いてNC-202を注入する
NC-202を注入する前に、本体ラベルの注意書きにもある「必ず、中身が均一になるまで十分に攪拌してからご使用ください」を実行します。
容器の底や上部を見てもわかるように、沈殿物が容器に付着しているので、混ざるまでかなりの時間をかけて容器を振りまくります。
よく攪拌した後に、スポイトを用いてNC-202を各気筒に10cc注入します。
注入量としては、気筒容積500ccに対して10ccを目安とします。
ER34の場合、2500ccの6気筒なので、1気筒あたり416.66ccであり、1気筒あたり8.33ccの注入量となります。
あくまでも目安でしょうから、私は1気筒あたり9cc程度注入してみました。
これを、スパークプラグ穴から注入していきます。
(3)クランクシャフトを5回転程廻す
クランクシャフトを5回転程廻す方法としては、レンチで手回しするか、スターターでチョンチョンと廻します。
私はスターターでチョンチョンの方を選択しました。
ただし、1回のチョンでどのくらいクランクシャフトが廻るかが分かりませんでしたので、とりあえず5回~7回程度スターターでチョン回しをしてみました。
(4)スパークプラグを取り付けてエンジンを始動させる
私は、3気筒ずつで(1)と(2)の作業を行いましたので、(3)の作業時点ではスパークプラグは取り付けられた状態になっていました。
この段階で、スパークプラグだけでなく、イグニッションコイルも取り付けて、エンジンが始動できる状態にします。
その上で、エンジンを始動させます。
(5)15分間アイドリングを行う
エンジンをスタートさせると、排気管より多量の白煙が出ましたが、私の場合は多量の白煙は約10秒ぐらいで収まり、その後は少量の白煙になりました。
上の写真は、少量の白煙が出ている状態のものです。
とりあえず、アイドリングのまま15分放置します。
アイドリングを15分間行って、白煙が消えない場合はさらに15分間アイドリングを行います。
(6)3000rpmを上限として15分以上レーシングを行う
15分間のアイドリング後に白煙が出なくなれば、3000rpmを上限としてレーシングを行います。
回転計を確認しながら、回転の上下をゆっくりと行うレーシングを15分間実施します。
レーシングが完了後に、中古のプラグを取り外して、元々使用していたプラグに戻します。
実際にNC-202を施工後に取り外したプラグの状態です。
プラグ全体がNC-202でギトギトになっています(-_-;)。
NC-202施工後の結果と感想
<施工後の注意点>
慣らし運転として約100km程度は、3000rpmを超えないように、かつハードな走行を行わないようにします。
当然、ブーストもかけないようにします。
<施工後のコンプレッション測定結果>
施工後の効果検証として、上記手順(6)の作業後に、各気筒のコンプレッション測定を行いました。
<1番シリンダー(施工前)> <1番シリンダー(施工後)>
1.18MPa/260rpm 1.19MPa/260rpm
<2番シリンダー(施工前)> <2番シリンダー(施工後)>
1.29MPa/260rpm 1.29MPa/260rpm
<3番シリンダー(施工前)> <3番シリンダー(施工後)>
1.25MPa/260rpm 1.27MPa/260rpm
<4番シリンダー(施工前)> <4番シリンダー(施工後)>
1.22MPa/260rpm 1.27MPa/260rpm
<5番シリンダー(施工前)> <5番シリンダー(施工後)>
1.27MPa/260rpm 1.29MPa/260rpm
<6番シリンダー(施工前)> <6番シリンダー(施工後)>
1.29MPa/260rpm 1.30MPa/260rpm
<施工後の感想>
プラグ交換がでできる人であれば、自分で施工作業することも可能ですが、信頼できる専門ショップに任せた方が安心ですし、楽だと思います。
肝心の施工後の感想として、コンプレッション測定の数値からも分かるように、若干ですが圧縮圧力が上がっているので、コーティングの効果はありそうです。
実際の走行でも、明らかに低速のトルクがアップしているのが体感できます。
特に2000rpm以下でのトルクが、施工前とは明らかに違うのが分かりました。
走行距離が伸びている車にはオススメだと感じました。
ただし、私の場合は施工前のコンプレッション数値が少し高いので、次回はパワーアッププログラムのSTEP2「NC-900」の施工にも挑戦してみたいと思います。