ER34のデフオイル交換作業について
前回にデフオイルを交換してから、約9000kmほど走行しているので、このタイミングで交換することにしました。
私のER34には、NISMOの機械式LSD「GT-LSD Pro」を装着しているので、定期的な交換が必要となります。
今までデフオイルの交換は、ディーラーにお願いしておりましたが、今回は自分で交換作業にチャレンジしてみました。
交換時に使用したデフオイル
使用したデフオイルは、前回と同様にNUTECの「NC-71」になります。
・粘度:80W-140
・成分:100%化学合成(エステル系)
・容量:2L
デフオイルの交換手順
(1)油圧ジャッキにてジャッキアップを行う
車の下に潜っての作業となるので、リジットラックを使用しての作業が必須となります。
油圧ジャッキを使用して、デフケースにジャッキをかけます。
当然ですが、リアをジャッキアップする時は、フロントタイヤには車輪止めを使用しましょう。
(2)フィラープラグを緩める
先にデフオイルの注入口のフィラープラグ(黄色の矢印)を緩めておきます。
先にフィラープラグを緩める理由は、デフオイルを抜いた後に、万一フィラープラグを外すことができない場合、デフオイルを注入することができなくなるためです。
フィラープラグを外すことができない理由としては、固着や四角穴がなめてしまったりすることが考えられます。
フィラープラグを緩めるにあたり、マフラーが通っていることもあり、工具が入りにくいです。
直線的にアプローチができないので、緩めるにはコツが要ります。
まず、500mm長のスピンナハンドルで、少し斜めからアプローチして緩めます。
差込角12.7mmのスピンナハンドルで直接緩めましたが、ボルトがなめてしまう可能性がありますので、ドレンプラグ専用の13mmソケットを使用することを推奨します。
少し緩めた後は、エクステンションバーとユニバーサルジョイントを組み合わせて、少し離れたところからラチェットレンチで緩めていきます。
(3)ドレンプラグを外してデフオイルを抜く
続いて、ドレンプラグ(赤色の矢印)を外して、デフオイルを抜いていきます。
かなり固く閉まっていたので、あまりいい方法ではないですが、ジャッキを使用して緩めました。
ドレンの下には、廃油処理用として、エーモンのポイパック(2.5L)を用意しました。
(4)フィラープラグとドレンプラグのガスケットカスを除去する
フィラープラグを外して、ドレンプラグと並べてみます。
左側がフィラープラグで、右側がドレンプラグです。
ドレンプラグにはマグネットが付いており、鉄粉を吸着してくれるようになっています。
フィラープラグとドレンプラグに付着しているガスケットカスを除去します。
ドレンプラグの方は、固かったため、緩める際に少しなめてしまいました(-_-;)。
(5)ドレンプラグを締める
デフオイルを抜いた後は、ドレンプラグを締めます。
ドレンプラグにガスケットフルードを塗布して、デフケースに取り付けて規定トルクで締め付けます。
・ドレンプラグ締付トルク:40~58Nm(整備要領書より)
また、整備要領書の指定するガスケットは、「フルードガスケット1215」となっています。
シールテープでも代用できると思いますが、整備要領書の通りに行うため、「フルードガスケット1215」を購入してみました。
まずは、ドレンプラグのネジ山の半分ぐらいまで締めていきます。
その後、外側に出ているドレンプラグのネジ山にフルードガスケット1215を塗って、トルクレンチにて規定トルクで締め付けます。
今回、ドレンプラグの四角穴が少しなめてしまったので、秘密兵器を使用して締め付けることにしました。
Holtsの「スクリューキャッチ」という商品です。
プラスネジのネジ山がなめてしまった時に効果絶大でしたので、四角穴でも効果がありそうなので、使用してみました。
結果、なんとか締め付けることができました。
(6)デフオイルを注入する
デフオイルの注入については、一般的には「サクションガン」という大きな注射器のような道具を使用します。
私の場合は、100円ショップにて「灯油ポンプ」にてデフオイルを注入しました。
「灯油ポンプ」でデフオイルを注入する方法は、ネットでも多くの人が実践しているようですので、試してみることにしました。
まず、灯油ポンプのオイルを引き上げる側のホースを約10~15cm程度切断します。
切断する長さの約10~15cmはあくまでも目安で、デフオイルの缶に差し込んで、ポンプの赤い部分が操作できて、かつ車体の下でも操作しやすい長さに調整します。
注入する側のホースは、デフケースの注入口に差し込みます。
あとは、灯油ポンプの赤色の部分をシュコシュコすると、どんどんデフオイルが送り込まれていきます。
デフオイル量としては、整備要領書では「約1.3L」となっています。
目安としては、注入口からデフオイルがあふれてきたら注入を終了するという感じです。
(7)手でタイヤを回す
注入するオイル量を増やす小技として、ジャッキアップした状態でタイヤを手で回すという方法があります。
デフオイルは粘度が高いためオイルがまわりにくいので、手でタイヤを回すことでデフキャリアのすみずみまでオイルが行きわたるようにします。
その際には、サイドブレーキは解除しておきましょう(タイヤが回らないので)。
実際に、最初に注入口からデフオイルがあふれてきてから、手でタイヤを回すと、もう少しオイルを注入することができました。
(8)フィラープラグを締める
デフオイルの注入が完了したら、フィラープラグを締めます。
フィラープラグも、ドレンプラグを同様の手順となります。
フィラープラグにガスケットフルードを塗布して、デフケースに取り付けて規定トルクで締め付けます。
・フィラープラグ締付トルク:40~58Nm(整備要領書より)
ドレンと同様に、フィラープラグのネジ山の半分ぐらいまで締めてから、外側に出ているフィラープラグのネジ山にフルードガスケット1215を塗って、トルクレンチにて規定トルクで締め付けます。
(9)エンジンを始動して漏れがないかチェックする
最後に、ジャッキアップした状態でエンジンを始動させて、ギアを1速に入れてタイヤを回転させます。
タイヤを回転させて、デフオイルの漏れがないかをチェックして完了です。
デフオイル交換後の感想
排出したデフオイルはそれほど汚れている感じではありませんでしたが、交換後は少し気になっていたチャタリングも気にならない程度になったので、効果はあったと思います。
あとは、フィラープラグとドレンプラグを脱着するための専用工具は購入したほうがよいです。
私の場合は、なんとか対応できましたが、作業途中で脱着ができないと大変です。
今回は、初めての作業でしたので時間がかかりましたが、次回以降はスムーズに作業ができそうです。
今後も、定期的にデフオイルを自分で交換していきたいと思います。