ER34のミッションオイル交換作業について
前回にミッションオイルを交換してから、約15,000kmほど走行しておりましたので、このタイミングで交換することにしました。
今までミッションオイルの交換は、車検時にディーラーにお願いしておりましたが、今回は自分で交換作業にチャレンジしてみました。
交換時に使用したミッションオイル
今回の交換では、NUTECの「NC-70」と「NC-71」をブレンドしたオイルを使用することにしました。
「NC-71」単体だと、冬場の始動時にギアが入れにくいし、抜きにくいという状態になります。
でも、「NC-70」単体だと高温になった時の不安もあり、ブレンドを試してみることにしました。
およそ50対50でブレンドしてみようと思い、計量カップの代わりに500mlのペットボトルを2本用意して、移し替えてブレンドしてみました。
下の写真の左側が「NC-71」で、右側が「NC-70」です。
色合いは、「NC-70」の方が濃い色のように見えます。
ペットボトルに注ぐ時に、「NC-70」と「NC-71」の粘度の違いがはっきりと分かりました。
各オイルの粘度は、「NC-70」が75W90で、「NC-71」が80W140です。
「NC-70」はさらさらしていましたが、「NC-71」はドロッとしていました。
ミッションオイルの交換手順
(1)油圧ジャッキにてジャッキアップを行う
車の下に潜っての作業となるので、リジットラックを使用しての作業が必須となります。
フロント側をジャッキアップするには、フロントメンバーに油圧ジャッキをかけます。
フロント側をジャッキアップする場合、接地しているリアタイヤにはサイドブレーキがかかっていますが、念のために車輪止めを使用しましょう。
(2)右フロントタイヤを取り外す
ミッションの位置が、ちょうどリジットラックを設置した奥あたりになります。
今回は、私はタイヤを外さずに作業を行いましたが、タイヤが邪魔で作業しにくかったです(-_-;)。
右フロントタイヤを外しておくと、スペースの確保ができて、下へ潜っての作業がやりやすくなります。
次回の交換時には、右フロントタイヤを外してミッションオイルを交換しようと思います。
(3)フィラープラグを緩める
先にミッションオイルの注入口のフィラープラグを緩めておきます。
先にフィラープラグを緩める理由は、ミッションオイルの抜いた後に、万一フィラープラグを外すことができない場合、ミッションオイルを注入することができなくなるためです。
ただし、ミッションオイルの場合は裏技として、シフトレバーを取り外して注入することも可能なので、万一フィラープラグが外れなくても対応はできます。
また、前回のデフオイル交換時の教訓を活かして、今回は専用工具を用意しました。
Ko-ken(コーケン)の12.7sq.ドレンプラグ用ソケット13mm「4110M-13」です。
この専用ソケットをスピンナハンドルに取り付けて使用します。
差込角12.7mmで直接フィラープラグを回す時よりも、僅か0.3mmの差ですが、しっかりとした手応えがありました。
さすがは専用工具だと思いましたので、自分で交換される方は購入しておいた方がよいと思います。
この専用工具を使用すると、プラグの差込口がなめてしまう可能性は少ないと思います。
では、肝心のフィラープラグの外す手順を紹介したいと思います。
ミッションオイルのフィラープラグ(下の写真の黄色矢印)は、比較的アクセスはしやすいのですが、長い工具で回そうとすると、スペースが限られてしまいます。
600mmのスピンナハンドルで緩めるにあたり、クラッチオペレーティングシリンダーのホースの上にスピンナハンドルを通してセットしました。
さらに、かなり固着しており、手で回すのが困難でしたので、禁断の油圧ジャッキで押し上げるという方法で緩めました。
(4)ドレンプラグを外してミッションオイルを抜く
続いて、ドレンプラグ(赤色の矢印)を外して、ミッションオイルを抜いていきます。
ドレンの下には、廃油処理用として、エーモンのポイパック(4.5L)を用意しました。
ドレンプラグの方は、長い工具を使用しても回すスペースが十分あるので、楽に緩めることができました。
(5)フィラープラグとドレンプラグのガスケットカスを除去する
まず、ドレンプラグを確認してみると、鉄粉がかなり付着していました(-_-;)。
シフトミスでガリっとしていることもあり、かなりミッションのギアが削られているのでしょう。
フィラープラグとドレンプラグにはフルードガスケットが付着しています。
この2つのプラグに付着しているガスケットカスを竹串などを使用して除去します。
(6)ドレンプラグを締める
ミッションオイルが完全に抜いた後は、ドレンプラグを締めます。
ドレンプラグにガスケットフルードを塗布して、ミッション本体に取り付けて規定トルクで締め付けます。
・ドレンプラグ締付トルク:25~34Nm(整備要領書より)
また、整備要領書の指定するガスケットは、デフオイル交換と同様の「フルードガスケット1215」となっています。
まずは、ドレンプラグのネジ山半分ぐらいまで締めていきます。
その後、外側に出ているドレンプラグのネジ山にフルードガスケット1215を塗って、トルクレンチにて規定トルクで締め付けます。
(7)ミッションオイルを注入する
ミッションオイルの注入については、一般的には「サクションガン」という大きな注射器のような道具を使用します。
私の場合は、デフオイルの時と同様に「灯油ポンプ」にてミッションオイルを注入しました。
まず、灯油ポンプのオイルを引き上げる側のホースを約10~15cm程度切断します。
切断する長さの約10~15cmはあくまでも目安で、ミッションオイルの缶にポンプを差し込んで、赤いポンプの部分が操作できて、かつ車体の下でも操作しやすい長さに調整します。
注入する側のホースは、クラッチオペレーティングシリンダーのホースの上を通してミッション本体の注入口に差し込みます。
クラッチオペレーティングシリンダーのホースの上を通すことで、灯油ポンプの注入側のホースが保持されます。
あとは、灯油ポンプの赤色の部分をシュコシュコすると、どんどんミッションオイルが注入されていきます。
ミッションオイル量としては、整備要領書では約2.8Lとなっています。
目安としては、注入口がミッションオイルがあふれてきた注入終了となります。
私の場合、3.5Lぐらい注入した時点でオイルがあふれてきました。
(8)フィラープラグを締める
ミッションオイルの注入が完了したら、フィラープラグを締めます。
フィラープラグにガスケットフルードを塗布して、ミッション本体に取り付けて規定トルクで締め付けます。
・フィラープラグ締付トルク:25~34Nm(整備要領書より)
ドレンと同様に、フィラープラグのネジ山の半分ぐらいまで締めてから、外側にでているフィラープラグのネジ山にフルードガスケット1215を塗って、トルクレンチにて規定トルクで締め付けます。
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(9)エンジンを始動して漏れがないかチェックする
最後に、ジャッキアップした状態でエンジンを始動させて、何回か各ギアに入れてみて、ミッションオイルの漏れがないかをチェックして完了です。
ミッションオイル交換後の感想
朝一の冷えた状態での始動時において、ギアを入れたり抜いたりするのがしやすくなりました。
もちろん、走行時のシフトチェンジでは、スムーズにギアが入るようになりました。
排出したミッションオイルは汚れ自体はそれほどではありませんでしたが、ドレンプラグのマグネット部分に付着していた鉄粉の量が多かったのが気になりました。
今後は、走行距離10,000kmごとに交換していきたいと思います。